「スマホアプリ開発者から企画者にも響く!サウンド、UI/UX、Unityまわり勉強会」に行ってきた

サウンドデザイナーからWebデザイナーに転身、ネットゲームのUIを作っていて、Unityにも興味がある、という私にピッタリの勉強会があったので、行ってきました。
一人目の登壇者は株式会社DETUNEの佐野さんと有限会社プロキオン・スタジオの鈴木さん。
DETUNEといえばシンセ好きには知る人ぞ知る存在。KORG M1をNintendo DS向けのソフトに完全移植したKORG M01iPod向けのシンセアプリI am synthなど電子楽器好きにはたまらないユニークな製品を多数リリースし私たちの耳目を楽しませてくれている企業です。
こちらの藤本健さんの記事にあるとおり、子供たちにシンセ(M01)を使ってもらって印象を聞いたところ、「黒くて、英語ばかりで、親しみにくい」というものだったらしく、そういった意見を反映し、I am synthでは英語も黒も排除したプロダクトデザインになったとのこと。

私自身はファーストシンセであるKORG M1でシンセサイザーを勉強したのですが、あの2行のディスプレイだけでシンセの仕組みを理解するのは至難の業でした。しかしこの「I am synth」のインターフェイスは本当にわかりやすいです。こういう優れた教材を85円で入手でき勉強できる今の子供たちは恵まれていますね。
また実際にメインに開発に携わった鈴木さんからの、
iOS開発者用に提供されているサウンドドライバは出来が良いので、ネットに落ちているサンプルコードなどを貼り付ければ比較的簡単に音が出せると思います。皆さんもぜひチャレンジしてください」
という意味合いのメッセージに、大きなモチベーションをいただきました。
趣味のコーディングで、音アプリ、チャレンジしていきたいと思います。
次の登壇者は、株式会社ジェネシックスの冨田さん。
非常に広義な意味でのUI/UX/デザインについての話で、スマホのビジネスシーンにおいて汎用性の高い、ポータブルスキルに近い話だったので、参考になる部分が非常に多いお話しでした。
説明において、参考書籍として挙げられていた本が、どれも興味深いものでしたので、以下にリストアップさせていただきます。
小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則 (ハヤカワ新書juice)

リーン・スタートアップ ―ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす

About Face 3 インタラクションデザインの極意

アントレプレナーの教科書

iOS Human Interface Guidelines

そのほかにも、アプリの企画段階で、ペルソナ(ターゲットユーザーの典型例)を作る際、twitterで3人くらいモデルとなるユーザーを探しタイムラインを追い、そのファクトデータをもとにひとつの人格を作り上げる、という話や、iPhoneのメモ帳を使ったペーパープロトタイピング、リリース後の検証と学び(定量検証にGoogleAnalytics,定性検証にtwitterfacebook)、勝手に拡散してくれる仕組み(ソーシャルメディアを無理の無い形で組み込む)、実現したい世界観を一貫性をもって伝えていくことの大事さ、など、アプリの企画からリリース、リリース後のケアまで含む、さまざまなノウハウが語られました。私も今後、実務の参考にさせていただこうかと思います。

三番目の登壇者は株式会社ワンオブゼム・エンジニアの杉田 臣輔(すぎた しんすけ)氏。Unityのライブコーディングにより実際にサンプルゲーム(おしくらまんじゅうゲーム)が作られる過程をデモンストレートしていただきました。
Unityのコーディングで一番使われるC#という言語は非常にJavaに近いという印象を受けました。
ネットゲームの分類(物理構造による分類:C/S型、P2P型、論理的構造による分類:MO->1~100人同時接続、MMO->100~1000人同時接続)を説明する際、参考書籍として挙げられていた書籍を下記に挙げておきます。

オンラインゲームを支える技術  −−壮大なプレイ空間の舞台裏 (WEB+DB PRESS plus)


音楽屋から一瞬、音ゲーの門を叩き、Web屋になり、今Web屋とゲーム屋とのハイブリッド業種であるネットゲーム業界に身を置く自分としては、今後仕事をしていく上でヒントの多い勉強会だったことは、言うまでもありません。
長年ゲームと音楽を見てきたDETUNEの佐野さんは
コンシューマゲームに比べスマホは音の部分については後手後手になってる印象がある。でも必ず音にフォーカスされる流れはくる。」
というようなことを言っていた。確かにそういう意味では今はまだスマホは音の時代ではないのかもしれない。ガラケーで着メロという形で音がフォーカスされたように、スマホでも何らかの形で音にフォーカスが当たる時は来るのでしょうか。個人的には、着メロ並みの盛り上がりが、スマホコンテンツ業界にもあるとすれば「時計」「アラーム」関係なのではないかと考えています。ボカロ界隈からのモバイルへの合流という流れにも注目しつつ、動向を見守っていきたいです。