FacebookがGoogleを廃業に追い込む理由

話としては面白いが、詭弁にしか聞こえない。

「調べる」Googleと「つながる」Facebookは競合しない。コンセプトも全く違う。
Facebookは当時大学生だったザッカーバーグらが他の女子大生と簡単に出会えるためのプログラムを作りたい、Googleは世界中の知を再構築したい、だったはずだ。

Facebookは精度の高い「ソーシャルグラフ」が強みだという。

確かにFacebookの持つ5億ユーザーの、性別、地域別、年代別…縦横無尽に抽出可能な「いいね!」ボタンの集計は、人々の興味関心について知り、ある程度その興味関心を操作することもできてしまうほどの代物であることは容易に想像がつく。

しかしそれでもなお、GoogleFacebookオリジナルのデータを、それほど脅威に感じる必要もないように思える。他にそれを補って余りある情報源があるからだ。
例えばGmailひとつとっても、その中味のほうがFacebookソーシャルグラフより、よっぽど貴重なマーケティングツールのように思える。

すべてのGoogleサービスの享受者は、その利便性と引き換えに、相当なプライバシーに関わる内容も含む情報ですら、さほど抵抗もなく、ひっきりなしに提供し続けているのである。
そのサービスの便利さに酔いしれている隙に、じわじわと、確実に。あまりの便利さゆえに、個人情報漏えいへの警戒心より利便性に対する快感が勝ってしまうのだ。

FacebookGoogleを廃業に追い込むというのは詭弁だ。
しかし、FacebookがWebに新たな視点を加えたのは事実だし、それはまた、Googleとは違ったやり方で、我々を支配しようとしている。

FacebookGoogleを廃業に追い込む理由
http://jp.techcrunch.com/archives/20110603facebook-google-out-of-business/