twitterはクラウド(雲)である。

twitterはソーシャルのクラウド化という実験のひとつの大きな成果であるのではないかと思えるときがある。情報を整理などせず、とりあえず放り込んでおき、必要な時は検索すればよい、というクラウドの考え方をソーシャルメディアに持ち込んだらこんなカタチになった、と仮定してみると、ある一つの結論が導き出せる。
Googleデスクトップの登場も大きいが、デスクトップいっぱいにひろがった作業フォルダを整理などしなくて良い、という考え方が少しずつ広がりつつある。とりあえず適当なディレクトリに放り込んでおき、検索すれば良い。これがクラウドの一つの考え方。そうなると、検索しやすいようなファイル名の付け方が大事になるわけだが。
で、twitterがなぜクラウドなのかというと、生成された情報はとりあえず整理などされないまますべてタイムラインに流れてくる。ユーザーは@やハッシュタグ、検索などを駆使して欲しい情報を手に入れる。これってまさにクラウドの考え方じゃないか。なのでtwitterはソーシャルクラウドとでもいうべき特殊な位置づけのサービスに思える。SNSは仕事、趣味、友人、知り合いなどと分類し活用する、クラシカルな情報整理ロジックに則ったサービスを提供している。整理することで初めて価値ある情報となる。これがクラウド以前の価値観であった。クラウドはモヤモヤした雲(クラウド)みたいな場所にとにかく情報を放り込んでいく。そして必要な時はその雲に手を突っ込み(検索し)必要な情報を取り出す。evernoteというサービスにその典型を見ることができる。
しかし、検索技術の発展により「情報なんて整理されてなくていいんだ」と人類が気付いてしまったことがまず大きな発見。これはクラウドコンピューティングの基本理念となる。twitterは、この理念に基づいたソーシャルメディアとしてソーシャルネットワーククラウド化を結果的に推進した点で革新的なツールだと、私は考えるのである。