音楽で磨いたクリエイティブ脳を世の中でどう活かすか?

音楽を志し、自分なりの方法論を確立するくらいまで探求し、音楽制作のクオリティもプロレベルまで持ってきた。
音楽理論も完璧、二次ドミナント?、スケール?モード?何でも来い!さぁ、この才能を世の中で活かしきるぞ!
…と意気込んでサウンドクリエイターになったものの、世の中に音が必要な場面は大変少なく、職業として音楽を続け、音楽というフォーマットで仕事の成果物を世に生み出していくことは大変難しいというのが今の社会の現状である。
何のために音楽制作のスキルを磨いたのか、今までの人生何だったのか、と落胆してしまう人もいるかもしれない。
しかし、誤解を恐れずに言うと、今は音楽の時代ではないのだ。ジョン・レノンが歌で世界平和を訴えた時代ではない。着メロや初音ミクなどの局所的あるいは一時的な特需はあるが、音楽産業自体のパイが急速に小さくなっているのだ。
だから、音楽でたまたま飯が食えている人は相当な強運だという自覚を持って邁進して欲しいと思う。
そして実力がありながら音楽で食えなかった諸君は、時代を読み違えたことを反省し、音楽で磨いたクリエイティブ脳を、今の時代が求めている別の分野のスキルに応用していく方法を探さなくてはならない。
音楽は人に受ける=支持されることが必要なわけで、この「どうすれば人に喜んでもらえるか」を考える中で得たノウハウはどんな仕事にも応用ができるポータブル(持ち運び可能な)スキルである。
また、音楽の初心者であった自分が、それを学び続け、一つの事をきわめた、限界までやったという経験は、何か一つのことを習得するノウハウとして蓄積され、別のことにも応用できるだろう。これも貴重なポータブルスキルである。
音楽で磨いた縦横無尽な創造性。これも別のジャンルのことをやるにあたっても、そのジャンルでの応用のしかたさえ身につければ、100%無駄なく発揮できるようになる。
このように考えると、どんな活動も無駄ということは一つもないのである。
となると、問われるのは、活動の質だ。
質を向上させるには、やると決めたら、徹底的に、真剣に取り組むこと、が重要なのだと思う。