まずはフツーをきわめなさい

師走である。そろそろ2009年聴いた曲、観た映画、読んだ本、総ざらいしたいと考えている。
早速一発目、割に最近読んだ、この本から。
「まずはフツーをきわめなさい」
読んだ回数としては、一回なんだけど、思いだした回数となると、二日に一回くらいの頻度である。
そういう意味では、内容云々の前に、タイトルがコピーライト的に秀逸である、ともいえる。
目の前のタスクをこなそうと思った時、「フツーに」こなそう、と心がけるわけだ。
そういう心がけが出来るようになるというだけで、十分この本の責務は果たせている。
この場合の「フツー」とは、「奇をてらうことなく、正攻法で」やっつける、ということ。
坂本龍一氏も、これはただの技術ですよ、構造ですよ、といって作っていながら、各々出てきてきてしまう固有性、それが個性である、と、村上龍氏との対談集「 EV.Cafe(イーヴィー・カフェ)―超進化論」で語っている。
あえて変わったことをやろうとしなくとも、正攻法でやった結果にも、いやがおうでも各々違いが出る。誤解を恐れずに言うと、個性など、出そうと思って出すものではないのである。まずは正攻法で攻略してみること。
その大切さを膨大なリサーチ結果やデータ検証結果から、教えてくれる本である。